【技術・人文知識・国際業務 | 就労ビザ許可のポイント-2】日本にいる外国人がビザを変更して、オフィスワーカーとして働く場合
July 31st 2023 Updated
このページでは、すでに在留資格をお持ちで国内に滞在している方が、在留資格/ビザを変更し、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格/ビザで働くための申請方法、申請書類、流れをご説明いたします。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは、ひらたくいうと大学・専門学校などの高等教育機関で学んだ知識を活かして、会社で専門職として働くための就労ビザ/在留資格です。名称が長いため、略して「技人国(ギジンコク)」と呼ばれたりします。いわゆる会社のオフィスワーカーとしてもっともポピュラーな在留資格/ビザです。
厳密にいうと、学歴がなくても一定の就労経験年数があれば要件を満たしたり、採用側が会社法人ではなく、個人事業主でも要件を満たすことができたりするのですが、まずはざっくりの定義として、
大学・専門学校などの高等教育機関で学んだ知識を活かして、会社で専門職として働くための在留資格/ビザが、
と覚えておいてください。
なお、いわゆる単純労働を主な職務内容とするケースではビザは許可されません。
*単純作業とみなされる職種の例
飲食業の接客
小売業の接客
ホテルのベッドメイキング
配送ドライバー
建設現場の単純作業
工場の流れ作業
など
在留期間は?
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格/ビザで在留可能な期間は、
5年、3年、1年または3か月
です。
最初は1年の在留期間で許可されるケースが多いですが、上場企業や大手企業での勤務の場合、新規でも5年の許可が下りるケースもあります。
申請から入社までの流れ
ビザ申請から入社までの流れは以下の通りです。
1. 申請人の外国人と労働契約書を結ぶ
この時点では、まだ在留資格変更の許可がおりるか100%定かではありません。
念のため、契約書上に「本契約は日本国政府により就労ビザの許可がおりない場合は発効しないものとする」という文面を入れておくことをお薦めします。
2.「在留資格変更許可」を国内の出入国在留管理庁(入管)に申請
後述する必要書類を集めて、申請する外国人の居住地を管轄する地方出入国在留管理官署(通称 入管)に赴き、日本で就労する上で「技術・人文知識・国際業務」への「在留資格変更許可」を申請します。
採用される外国人が国内に在留する場合は、原則、外国人本人が入管に出頭する必要がありますが、行政書士は、代わりに申請取次することが許可されています。
地方出入国在留管理官署 (通称 入管)
3. 入管の審査期間
書類提出後、申請内容の審査に入ります。
申請から許可までの期間の目安は2週間~4週間です。
追加資料など求められた場合は、すぐに対応できるようにしましょう。
4.「在留資格変更の許可」と申請人への通知
許可、不許可の結果は、通常ハガキにて申請人、所属機関、もしくは行政書士などの申請取次者いずれかに通知されます。
在留資格の「変更」の場合、ハガキに許可、不許可は明示されておらず、入管に出頭する必要がありますが、ハガキの記載内容で許可、不許可はある程度推測できます。
ハガキの手数料の該当箇所にチェックマークがつけられる場合、手数料を払う必要があるということで、ほぼ100%、許可で間違いありません。
不許可の場合は手数料に関する記載はなく、出頭してほしい旨だけ記載してあります。
ハガキを郵送した段階で、許可か不許可か明示しない理由としては、在留資格変更の申請の場合、申請者が国内にいるため、不許可が分かった段階で逃走する恐れがあるため、と言われています。
ご参考までに新規で在留資格の「認定」を得る申請の場合、申請人はまだ海外にいるため、許可、不許可は郵送の書類で国内の申請者に伝えられます。
(申請人が海外にいるため逃亡のリスクがないためです)
なお、入管で不許可を伝えられた場合、丁寧に不許可理由を探る必要があり、その後の再申請の準備を進めます。
5. 変更後の在留カードの受け取り
ハガキ、パスポート、現在の在留カードを持って入国管理局に行き、手数料4,000円を収入印紙で納付します。
現在の在留カードと引き換えに就労可能な在留カードを受け取り、これで在留資格変更の作業は終了です。
地方出入国在留管理官署 (通称 入管)
料金はいくらかかるの?
料金はこちらのページをご確認ください!
「技術」「人文知識」「国際業務」の3つのカテゴリーの違い
「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザ/在留資格は、この言葉の通り、「技術」「人文知識」国際業務」の3つのカテゴリーに分かれており、それぞれが在留資格の活動に関して、異なる規定を設けています。
それぞれの規定は、以下の通りです。
「技術」
・エンジニアなどの理系の業務
技術の職務内容の例
ITエンジニア
製造業の技術者
土木の技術者
人文知識
法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務に従事する活動
・文系(文系という括りに入る学問)の業務に従事
人文知識の職務内容の例
マーケティング
経営管理
経営管理
国際業務
国際業務の職務内容の例
翻訳・通訳
語学教師
語学教師
語学教師
「技術・人文知識・国際業務」という1つの在留資格/就労ビザにも関わらず、文系の学歴や職歴を重ねている方が、これまでの学歴や職歴と関係のない理系の職務内容に従事したり、理系の学歴や職歴を重ねている方がこれまでの学歴や職歴と関係のない文系の職務内容に従事することは原則認められていません。
まずは、申請者の方の主な職務内容が上記3つのどれにあたるか、イメージできますでしょうか?
この後、「技術」「人文知識」「国際業務」それぞれの活動に従事するために在留資格/就労ビザ(海外から招聘の場合は「在留資格認定証明書の交付」)を申請した際のチェックポイントについてご説明いたします。