【永住申請って?】永住申請についてイチから知りたい方へ

August 25 2023 Updated

キクチ行政書士事務所
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「永住ビザ」についてイチから知りたい方を対象としたページです!

このページは、在留資格「永住者」の申請を検討している方向けに、日本における永住申請に関して、最初に知っておいてほしいことをまとめたページです。

永住申請の悩み

日本に永住するためには、「永住者」の在留資格/ビザを出入国在留管理庁に申請し、許可を得る必要があります。

*日本における「在留資格」と「ビザ」の意味は厳密には異なりますが、分かりやすく説明させて頂くためにここでは同義語として使わせて頂く場合がありますので、ご容赦ください。

日本に永住している外国人はどのくらいいるのか?

2022年現在、約86万人の外国人が日本に永住しています。

在留資格別で見ると、在日外国人の中でもっとも多い割合を占めており、全体の実に3割弱の方が永住許可を得て、日本に在住していることが分かります。

出典: 出典 法務省 資料 3ページ  在留外国人の構成比(在留資格別) (2022年12月末)

「永住者」は、活動に制限のない在留資格

「在留資格 永住者(永住ビザ)」は、他の「就労資格(就労ビザ)」と異なり、日本における就労に制限のない在留資格です。

アルバイトでも正社員でも、日本人と同様に一切制限なく就労することができますし、転職も自由です。

在留期間は?

永住者は、無期限で日本に在留することができます。

「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザや、「日本人の配偶者等」の在留資格期間は最大で5年までと在留期間の期限がありますが、「永住者」の在留資格を得た場合、在留期間の期限はありません。在留カード上には無期限の意味で、*年*月 (****年**月**日)と記載されます。

なお、再入国許可(みなし再入国許可含む)を得ずに出国をした場合、「永住者」の在留資格は失効となりますので、注意が必要です。

また、永住者の在留期限は無期限ですが、在留カード自体は7年ごとに更新する必要がありますので、この点もご注意ください。

永住者の在留カード記載内容

「永住者」のメリットとは?

・母国の国籍を失わずに、無期限に日本で安定した生活を過ごす事ができる

無期限、ということは在留資格の更新手続きが不要となります。

・日本における活動に制限がない

「永住者」は、日本における活動に制限のない在留資格です。アルバイトでも正社員でも、日本人と同様に一切制限なく就労することができますし、転職も自由です。また、職を失っても、離婚しても、在留資格を失うことがなく、日本に在住し続けることができます。

・社会的信用の向上とともに住宅ローンのハードルが下がる

永住権を持つと、日本社会において一般的な社会的信用が向上し、住宅ローンや事業資金の融資がおりやすくなるというメリットがあります。

「永住」ビザの許可率は50~60%程度!?

法務省が発表している統計をみると、年によって異なりますが、ここ5年間の永住許可率は50~60%程度で推移しています。

永住審査が年々厳しくなっていることもありますが、原則10年の在住要件と別途、特例要件に基づいた申請も何種類もあり、それぞれ提出書類も異なります。

他の在留資格よりも複雑であるため、書類の不備や、書類の疎明が弱いまま申請に至り、不許可になっているケースも想定されます。

キクチ行政書士事務所
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「永住者」は他の在留資格と比べて難易度が高い、と言えます!

「帰化」と「永住」の違いとは?

分かりやすく述べると、日本国籍を取得せずに「外国人」のまま、無期限に日本で安定した生活を過ごす事ができるのが「永住」であるのに対し、日本国籍を取得し、国籍上の「日本人」になるのが「帰化」です。

「永住者」のパスポートは海外のパスポートですが、帰化した方は日本のパスポートを得る事になります。

永住と帰化の違い

永住者の要件を満たすためのポイント

法務省が公表している永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)をかみ砕くと、以下の要件を満たすことが永住ビザの許可を得る上で重要です。

・原則、日本での在留継続年数が10年以上あり、かつ就労系もしくは身分系の在留資格をもって5年以上在留していること

原則的に、永住権を申請するためには日本での在留継続年数が10年以上必要です。このうち、就労系、居住系の在留資格をもって5年以上在留していることが必要です。

永住の要件

例えば、日本語学校で2年、大学で4年「留学」の在留資格で在留し、大学卒業後、就職の上、就労系の在留資格「技術・人文知識・国際業務」で4年で合計10年日本にいる方の場合、就労系、居住系の在留資格で4年しか滞在していないため、この条件を満たすことができません。

なお、就労系の在留資格には在留資格「技能実習」および「特定技能1号」は含まれません。他の就労系在留資格のように、学歴や職務経験が求められる在留資格ではないという理由で、永住申請の在留資格要件として認められていないのではないかと推測されます。

現在の入管の方針として、ある程度の学歴や技能を持った方(「技能実習」および「特定技能1号」以外の就労系ビザ保持者)か、家族、婚姻、出産などを通じて日本とより強い結びつきがある方(身分系ビザ保持者)にのみ永住権のドアが開かれている、と言えるかもしれません。

なお、この10年はあくまでも原則で、日本人の配偶者の場合は婚姻生活の継続が3年以上、高度外国人人材の場合は高度外国人人材として1年もしくは3年以上活動している事が認められれば、永住申請の要件を満たす、といったような特例申請はいくつかあります。(特例申請に関してはこの後詳しく説明いたします)

・素行が善良であること

素行が善良であること、とは日本の法律に違反して、懲役・禁錮、罰金に処せられたことがないこと、を指します。

よくある質問で、交通違反のペナルティでお金を払った場合はどうなるのかと聞かれることがありますが、交通違反の場合、重い違反は罰金(通称赤きっぷ)、軽い違反は反則金(通称青きっぷ)が課せられることになります。スピード違反などで青きっぷを渡されて、期限内に反則金を支払っている場合には罰金に処せられたことには該当しません。ただ、軽微な交通違反でも、2度、3度と繰り返し違反している場合には、不許可の可能性が高まりますので、注意が必要です。

・公共のお世話にならずに生活していけるだけの収入(単身者で年収300万以上)があること

永住許可を得た後に経済的に困窮し、公共の負担になってしまうことを入管は懸念しているため、会社勤めでも自営業でも構わないのですが、来日してから数年間に渡り安定した収入があり、今後も継続的に収入が見込まれることが必要です。単身者の場合年収300万円以上が目安と言えますが、家族構成により年収の目安は異なります。

なお、この収入は世帯収入でも構いません。永住申請者が家事に専念し、配偶者の方が家計を支えているようなケースでも、世帯で食べていけるだけの安定した収入の実績と今後の収入の見込みがあれば大丈夫です。

・納税義務を果たしていること、そして期限も守っていること

ここでいう納税義務とは住民税、健康保険/国民健康保険、公的年金を指しており、納期限を守って支払っているかという点を審査されます。納税は「国民の義務」である以上、支払いがあるのは当たり前というのが入管の考えで、納期限を守っているかどうかが大きなポイントです。

これまでの未納分が存在したり、支払い期限を守れていなかった申請者の方は、未納分はすぐに支払い、直近2~3年以上、納期限を守っている実績を作ったうえで、これまでの反省や今後の取り組みを理由書に書くなどの対応が必要となります。

・現在の在留資格に関して、最長の在留期間(3年以上)を得ていること

入管は申請者の個々の情報を総合的に判断し、1年、3年、5年など在留期間を申請者それぞれに決定しています。現在の在留資格に関して最長の在留資格をすでに得ているという事は、入管から最長期間の在留資格を得られるだけの信用がその外国人にあると言えますので、この事が永住権申請の要件のひとつに挙げられていると考えられます。

なお、最長の在留期間とは言葉通りに考えると「5年」を指しているのですが、2020年6月現在の運用ルールとしては、当面在留期間「3年」を有する場合は、「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱う事となっています。そのため3年以上の在留期間を得ていれば、本要件を満たすこととなります。

・公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと

麻薬・アルコール中毒者や、感染症の患者などが、公衆衛生上の観点から有害であると判断されます。こうした病気を患ったことがなく、感染症が発生している国・地域への渡航歴などもなければ、特に何も提出する必要はありませんが、該当する場合は健康診断書などを提出する必要があります。

日本での在留継続年数が10年以上に満たない場合の特例申請

前述の通り、在留継続年数が10年に満たない場合でも、特例での申請が可能な場合があります。以下、特例申請について、ひとつずつ述べさせて頂きます。

日本人配偶者の永住申請
・日本人配偶者として、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続していること

*「日本人の配偶者」ということは、在留資格が「日本人の配偶者等」である必要がある、ということではありません。法律に則り婚姻が認められていれば、配偶者の在留資格が「日本人の配偶者等」でも「技術・人文知識・国際業務」でも「高度専門職」でも構いません。

*正当な理由がなく、婚姻後別居していた場合には婚姻生活の実態がないと判断されます。

・継続して1年以上日本に在留していること

*実態を伴う婚姻生活が3年以上継続していて、このうち最初2年を海外、最後1年を日本で同居していた場合でも本要件を満たすことになります。

日本人の実子・特別養子の永住申請
・継続して1年以上日本に在留していること

日本人の実子・特別養子が外国籍の場合、引き続き1年以上日本に在留していることが永住申請の要件です。

日本人の養子の永住申請
・継続して10年以上日本に在留していること

日本人の養子が外国籍の場合、引き続き10年以上日本に在留していることが永住申請の要件です。日本人の実子・特別養子が外国籍の場合と比べて、養子の場合は要件が厳しくなっています。

永住者/特別永住者の配偶者の永住申請
・永住者の配偶者または特別永住者の配偶者として、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続していること、

*「永住者の配偶者」または「特別永住者の配偶者」ということは、在留資格が「永住者の配偶者等」である必要がある、ということではありません。法律に則り婚姻が認められていれば、配偶者の在留資格が「永住者の配偶者等」でも「技術・人文知識・国際業務」でも「高度専門職」でも構いません。

*正当な理由がなく、婚姻後別居していた場合には婚姻生活の実態がないと判断されます。

・継続して1年以上日本に在留していること

*実態を伴う婚姻生活が3年以上継続していて、このうち最初2年を海外、最後1年を日本で同居していた場合でも本要件を満たすことになります。

永住者/特別永住者の実子・特別養子の永住申請
・継続して1年以上日本に在留していること

引き続き1年以上日本に在留していることが永住申請の要件です。

永住者/特別永住者の養子の永住申請
・継続して10年以上日本に在留していること

引き続き10年以上日本に在留していることが永住申請の要件です。実子・特別養子が外国籍の場合と比べて、養子の場合は要件が厳しくなっています。

在留資格「定住者」の永住申請
・「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

*定住者の永住申請に関しては、「定住者」の在留資格で引き続き5年以上継続して日本に在留していることが永住申請の要件です。

在留資格「高度専門職」からの永住申請

・「高度専門職」の在留資格で3年以上継続して日本に在留していること。

もしくは、

・「高度専門職」の在留資格で1年以上継続して日本に在留しており、高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合、80点以上のポイントを有する「高度人材外国人」として1年以上継続して日本に在留していること。

*「高度専門職」の在留資格で引き続き3年以上継続して日本に在留していることが永住申請の基本要件です。

*高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合、80点以上のポイントを有する「高度人材外国人」として1年以上継続して在留していれば、要件は緩和されます。3年ではなく、1年の在留期間で申請が可能になります。

*「高度専門職」の在留資格ができたのが2014年であるため、2014年以前に「高度専門職」に該当する在留資格「特定活動 高度人材外国人」を取得し、現在まで在留している方の場合も「高度専門職」保持者と同じ条件となります。

「高度専門職」の在留資格を得ていない高度外国人材の永住申請

高度専門職(もしくは特定活動 高度人材外国人)の在留資格を得ていない場合でも、以下の要件を満たせば、永住申請の要件を満たします。

・3年以上継続して日本に在留しており、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。

もしくは、

・1年以上継続して日本に在留しており、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。

*3年前と申請時に70点以上または1年前と申請時に80点以上のポイントがあれば、高度専門職の在留資格を得ていなくても申請が可能です。

標準処理期間

入管が発表している審査期間の目安は4か月ですが、実際は6か月~1年弱かかる場合が多いです。

この期間中に追加書類などが必要な場合は、連絡を受けてからすぐに提出できるようにしておきましょう。

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くわしくは、それぞれ個別のページにてご確認ください!

ご依頼頂いた場合の料金は?

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