2021年11月現在、入国が可能な「特段の事情」とは?

2021年11月27日(土)

2021年11月5日、厚生労働省発表の水際対策強化に係る新たな措置(19)により、外国人の新規入国制限の見直しが発表されました。

一部インターネットやテレビでは、外国人の自由な入国が可能になったかのようにも見受けられましたが、実際はいまだにハードルが高い状況です。

11月5日(金)夜に外国人の新規入国制限の見直しがアナウンスされてから、かなりドタバタがありましたが、少し落ち着いてきましたので、今一度、現在の状況について整理したいと思います。

日本国内における新型コロナウィルスの拡大を防ぎたい、という目的で、日本政府は上陸拒否の対象国/地域と、上陸可能な国・地域を定めています。

上陸拒否対象国・地域からの入国

2021年11月現在、160の国・地域が上陸拒否国・地域として指定されています。現在世界には200ほどの国・地域がありますので、ほとんどの国からの入国は原則拒否されています。

一方、特段の事情がある場合には、入国が認められています
(特段の事情に関しては後ほど説明します)

上陸拒否対象以外の国・地域からの入国

では、入国拒否されていない国・地域からの入国はどうなるのか?

シンガポール、韓国、台湾、中国(香港及びマカオを含みます)、ブルネイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドを含む国・地域からの入国は2021年11月現在、拒否はされていません。

拒否はされていないものの、2021年11月27日現在、全世界から日本に入国する人数が1日5,000名までに制限されています。そして現在、これらの国からの入国にも現地日本大使館/領事館から査証(ビザ)の発行が必要となっているのですが、入国人数の制限に伴い、原則、特段の事情がない限り、入国に必要な査証(ビザ)が発行がなかなかされない、というのが実情のようです。

「特段の事情」があるとして入国・再入国を許可する具体的な例

特段の事情が認められるのは、以下のような場合です。

・再入国許可による再入国

再入国許可やみなし再入国許可を得て出国している外国人(中長期滞在の在留カードを持っている方)は、再入国許可の有効期限内であれば、入国は可能です。

・日本人の配偶者や日本人の子

日本人との身分的つながりが深い外国人であるため、入国が認められます。

・永住者の配偶者や永住者の子

日本に永住している方との身分的つながりが深い外国人であるため、入国が認められます。

・定住者の配偶者や子で家族が離れ離れの場合

日本に定住者の在留資格を得て在留している家族がいて、その定住者の配偶者や子が離れ離れになっている場合は、人道的配慮から入国が認められます。

・「家族滞在」や「特定活動」の在留資格を得ているが、入国できずに家族離散状態の場合

在留する外国人の家族として「家族滞在」又は「特定活動(告示7号、18号、19号、23号、24号、30号、31号、38号、45号及び47号)」を取得したが、来日が果たせずに家族離散状態になってしまい、家族統合の必然性があると日本政府に判断された場合は入国が可能です。

・「教育」又は「教授」の在留資格を取得したが、入国できないことが教育機関の活動を困難にしている場合

2020年以降、教育や教授の在留資格を得て日本の学校で授業を持つ外国人の多くは入国を果たせていません。

入国できないことが原因で、所属又は所属予定の教育機関に欠員が生じてしまい、その補充がないと当該教育機関の教育活動の実施が困難であると日本政府が認めた場合は入国が認められます。

・「医療」の在留資格を取得する者で、医療体制の充実・強化に資するもの

医療関係者の来日は公益性が高いと認められるため、「医療」の在留資格を持つ方は入国が可能です。

・「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する者

「外交」「公用」で来日する外国政府関係者も公益性が認められ、入国が可能です。

・その他、人道上の配慮の必要性がある場合

例えば、本邦居住者が亡くなった、もしくは危篤などですぐに訪問する必要のある親族には、人道上配慮すべき事業が認められます。

・その他、入国目的に公益性が認められる者

例えば、ワクチン開発の技術者などで公益性の高いと判断された場合は入国が可能です。

これらの方の入国の流れは以下の通りです。

入国までの流れ

陰性証明の提出などはありますが、入管に在留資格認定証明書の交付を申請し、許可後に現地大使館や領事館でビザが発行されれば入国ができます。

2021年11月から認められたもう一つの「特段の事情」

上記の場合は人道上の配慮や公益性の高さから入国が認められますが、2021年11月5日のアナウンスにて、中長期滞在の在留資格を持つ外国人の入国にあたり、受け入れ機関が入国後の行動管理をする場合であれば、特段の事情として入国が認められるようになりました。

例えば、就労系の在留資格を持つ外国人が入国するにあたり、採用する会社が入国後の行動管理を行う場合です。

この場合、在留資格認定書の交付後、所属機関の事業に関連する業所管省庁に必要書類を提出し、審査済証を発行してもらった上で現地領事館、大使館にビザ(査証)の申請、という流れになります。

審査済証を得るためには?

該当するであろう受入責任者の事業を所管する「業所管省庁」を見つけ、必要資料を提出する必要があります。
(2021年11月27日現在、電話での問い合わせもなかなか難しい状況で、ここで苦戦されている方は多くいらっしゃるかと思います、、、)

業所管省庁や、必要資料に関しては、コチラの厚生労働省のウェブサイトをご参照ください。現在はほとんどの業所管省庁にてオンラインで申請ができるはずです。

申請から許可までの審査期間は早い省庁では1週間、長い省庁では5週間程度かかるようです。

認定証明書の有効期限に余裕がある方は、もう少し落ち着いてから提出されたほうがよいかもしれません。

キクチ行政書士事務所
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