2021年10月1日から永住申請に必要となった了解書とは?

2021年10月9日(土)

了解書

2021年10月1日から永住申請の必要書類として、「了解書」が追加されました。

出入国在留管理庁のウェブサイトには、必要書類としてすでに記載されていますが、インターネット上にある永住申請に関するウェブサイトなどでは、「了解書」が必要書類として追加されていないウェブサイトも散見されます。

永住申請にあたり、永住申請時点で申請する方の情報(就労先、家族の状況、年金や保険の支払い状況)などを提出する事になりますが、永住申請は通常4カ月から長い場合だと1年近くかかるケースもございます。

この間に、転職や離婚などが起き、申請書の内容と異なる状況になった場合は、入管に報告する必要があることを了解していることのエビデンスとして提出が必要な書類が、了解書です。

キクチ行政書士事務所
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了解書は、申請後の入管への報告義務を了解している事を確認するための書類です!

どのような事が起きたら報告する必要があるのか?

就労状況の変更

申請人や申請人の扶養者などが、入管に申請している所属機関(就労先)を退職したり、転職したりした場合、報告の必要があります。

永住するにあたり、今後も安定的な収入を得られるのかどうかという判断材料を影響を与える可能性があるためです。

退職届
家族状況に変更のあった場合

離婚したり、別居したり、同居家族が増えたりした場合、報告の必要があります。

日本人の配偶者や永住者の配偶者であること、就労の在留資格を持つ本体者の扶養を受ける家族であること、などの家族構成が永住申請の前提になっている場合、審査に影響を与える可能性があるためです。

離婚
税金、年金保険料および医療保険の納付状況について、申請時点から変更があった場合

申請人の在留資格や滞在状況によって異なりますが、税金や年金、社会保険に関しては、ある一定期間、未納や支払いの遅れがないことが許可の要件のひとつとなっています。申請時の支払い状況や、保険や年金の加入状況に変化があった場合には報告する必要があります。

例えば、納税に支払いの遅れが発生した場合や、過去2年間会社の社会保険に加入していた方が、退職に伴い国民健康保険に切り替わった場合などが該当します。

税金
生活保護等公的扶助受けることとなった場合

日本国が永住を許可したい外国人の条件のひとつとして、原則的に自分や同世帯の扶養者が働いており、納税の義務を果たしていることが挙げられます。

申請時には生活保護を受けていなかったが、その後諸事情により受ける事になった場合は、その経緯も含めて報告する必要があります。

生活保護
刑罰法令違反により刑が確定した場合

日本国が永住を許可したい外国人の条件のひとつとして、素行が善良であることが挙げれれます。

申請後に犯罪によるの刑(懲役・禁錮・罰金など)に処されたことがある場合は、きちんと報告する必要があります。

なぜ了解書が必要になったのか?

永住申請時には許可の要件を満たしていたが、申請後に入管の関知しないところで、実は要件を満たさなくなっていた、という方が少なからず存在していたためだと思われます。

例えば、日本人の配偶者であることが前提で永住申請していたのに、申請後にすでに離婚していた、または別居していた、などといったケースです。

入管もある程度の情報は把握していますが、各申請の活動を逐一まで把握しきれないので、2021年10月以降の申請に関しては、何かあれば自ら報告してくださいね、というルールを改めて作り、そのルールを了解した書類を提出する必要が出てきた、ということです。

報告を怠ったらどうなる?

入管の関知しないところで、申請後、転職したり、離婚したり、納税の義務を怠っていたが、これらに関して報告せずに運よく永住許可がおりた、というケースの場合、今後は永住許可の取り消しもありえる、ということです。

これは永住許可の取り消しだけではなく、今後日本で在留資格を得て在留していく上で、申請人本人への入管からの信用も損ねてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

了解書がなくても申請は受け付けてくれる?

2021年10月9日現在、東京入管では了解書がなくても、他の書類が揃っていれば一応、申請は受理されます。(2021年10月1日からの新ルールであるため、一時的な対応、とも考えれます)

ただ、その場で追加書類として提出する旨が書かれたレターを渡され、期日までに追加で提出する必要はあります。

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