今後、香港から日本への資本と高度人材の流入が加速するんじゃないか、という話

2020年6月13日(土)

東京は梅雨入りし、今日も朝から本降りの雨。午後外出するのが億劫になりそうなくらい激しく振っています。

さて、今日は国境を越えたいわゆる高度人材の獲得に関する話題。どの国も、国の産業基盤を発展させるようなスキルを持った高度人材の受け入れ、獲得に力を入れているわけですが、日本もご多分にもれず、外国人の高度人材の受け入れには積極的です。

ただ、高度人材と呼ばれる人たちは、一般的に、その能力を評価してくれる会社や国を選ぶのが当たり前で、能力評価としてもっともわかりやすい指標である給与面では米国やシンガポールなどに勝てるわけもありません。日本に来てもらうには給与面では他国と戦えないため、生活のしやすさ(食費のコスパ)や安全面をもっとアピールするしかないわけです。

ただ、ここ数年トランプ政権になってからは、アメリカは自国民の雇用を守る施策に舵を切り、優秀な人材であってもなかなかビザが下りない傾向にあるため、その受け皿として日本が恩恵を受け、アジア圏の優秀なエンジニアなどを獲得しやすかった、という流れがありました。

このように高度人材の人の流れは政治にも影響を受けやすいのですが、最近の香港の動向を見ている限り、中国の影響力が強くなることを懸念する香港の金融関係者や資本家が、経済活動の拠点を香港から他国に移すんじゃないか、そして、このタイミングで香港から優秀な高度人材や資本を積極的に日本に受け入れるべきなのでは、と個人的に思っています。

イギリスもすでに香港市民に対して英市民権取得の対象者を拡大する旨を発表してますが、2019年には人口750万人の香港からの訪日外国人は230万人に達してますし、多くの日本ファンがいる香港人の日本への流入も期待できるのではないかと思われます。

前述の通り、お給料の面や税制の面では、もはや他国と比べて魅力的には映らないし、逆にいうと給料だけで流れてくる方は、もっといい条件があればまた他国に移ってしまう。

給料面では太刀打ちできなくても、生活費はロンドンやサンフランシスコ、ニューヨークなどを比べても安い。(いまだに東京は生活費が高いと思っている人も多いけれど)治安もいいし、国民の外国人との共生に慣れてきているし、僕がこの業界に入った15年前と比べると圧倒的に、外国人が生活しやすくなっているのは間違いない。

6月11日の国会でも片山さつき氏がこの話題を話していましたが、ちょっと違和感があったのは、日本が受け入れしてあげるのではなく、日本はあくまでも選択肢のひとつであって日本が選ばれるかどうかは、受け入れ側の体制にかかっていて、それには受け入れ側の日本国民も同意も必要。そのためには何よりも、少子化対策が上手くいっていない事を認めざるをえないんじゃないかなと思います。

高度人材の受け入れが、人口減少にもっとも有効な手段だとは思えないのですが、国家の存亡にかかる危機で、その危機があることを知りながら、70年代から自民党時代も民主党時代も解消できていない事実をもう公に認めて、国民と危機感をもっと共有してほしい。

今日は今のホットトピックとして香港を取り上げましたが、香港以外からも含め海外の人が、日本で働きたい、日本に資本を移したいと思ってもらえるうちが華かな、と。

高度人材

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