日本でもデジタルノマドビザ発給を検討?

May 13 2023

Nomad Work Japan

対日投資、30年に100兆円 「デジタルノマド」を誘致

政府は26日、海外から人材や資金を呼び込む行動計画をまとめた。対日直接投資額の2030年までの目標を従来の80兆円から100兆円に引き上げた。IT(情報技術)を活用して国境にとらわれず働く「デジタルノマド」といった高度外国人材を誘致する。

半導体やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった重要分野で海外企業に投資を促す。政府の基金も活用して全国で重要産業の立地を進める。

人材の呼び込みでは、デジタルノマドを念頭に専門ビザ(査証)や在留資格を新たに設けることを検討する。留学生が国内で定着するよう環境を整備する。

国内でスタートアップ拠点を整備する。海外ベンチャーキャピタルや起業家を増やすため、在留資格の要件を緩和する。

デジタルノマドっていろんな解釈ができる言葉だと思うのですが、現在検討に入っているというこの在留資格(ビザ)に関して補足説明させて頂きます。

ITスキルをベースとし、場所や国境にとらわれず、「ノマド(遊牧民)」のように旅をしながら仕事をする方のことを指します。

デジタルノマドの具体的な職業は?

ITスキルをベースにPCと携帯電話だけで成り立つお仕事ですので、例えば、システムエンジニアやECサイトの運営、SNSマーケティング、デザイナー、ウェブライター、翻訳者、ブロガー、youtuberなどが該当するかと思います。

なぜデジタルノマドが注目されているのか?

コロナ以前から、出社を前提としないリモートワークを認める会社は存在していたのですが、2020年からの新型コロナウィルス感染の拡大とともに多くの会社がリモートワークを推奨するようになりました。

それに伴い、会社を離れてリゾート地にいながら仕事をする、母国を離れて他国で仕事をする、など、労働環境の多様化がすすみました。

この実情に合わせて、ヨーロッパ、アジア、カリブ諸国などの国を中心に、2020年頃からノマドワーカー向けのビザを発給する国が増えてきています。

ノマドワーカーが増えるといくつかのメリットが考えられます。

まず一つ目は数か月から数年間だとしても家賃や食費などの生活費が国に落ちることです。リゾート地のホテルなどは繁忙期に人が集まる傾向にありますが、ノマドワーカーは閑散期でも長期滞在することができるため、ホテル側にとってはありがたい存在になるようです。

二つ目は、自国民の雇用を脅かす存在ではないこと。他国で仕事があり、その仕事でお金をもらって生活しているため、自国民と仕事を奪い合うような存在ではありません。

三つ目は、自国の税収が増える可能性があること。わざわざノマドビザを取得する方は、いわゆる短期滞在ではなく中長期間(といっても数か月~数年ですが)はその国に滞在する予定ですので、国によっても異なりますが納税の義務は発生します。ノマドワーカーは母国で納税している方が多いため、ルール整備は簡単ではないようですが、自国の税収アップを期待しノマドビザを発給する国もあるようです。

ノマドビザと普通の就労ビザの違い

国によって、ビザの要件は異なるのですが、一般的に就労ビザは、滞在先の国に存在する企業と雇用契約をしていたり、その国でお金を稼ぐことを前提とする方に発給されています。

例えば、日本でもっとも一般的な就労ビザ(就労可能な在留資格)と言えば、「技術・人文知識・国際業務」ですが、この在留資格許可を取るためには学歴要件や職務経験の要件と別途、「本邦の公私の機関との契約」に基づく就労であることが求められています。

一方で、ノマドビザの対象者は、他の国で仕事があり、あくまでも一時的な滞在地としてその国でリモートワークしている方ですので、国内でお金を稼ぐことを前提としたビザではありません。

ノマドビザはいつからスタート?

2023年5月時点ではまだ検討段階であるため、なんとも言えませんが、欧米諸国と比べて生活費も安く、インターネット環境も整備されている日本は、ノマドワーカーからしてみても、魅力的な国であると思いますし、このビザ(在留資格)の運用が始まれば、取得して来日したい方はけっこういるのではないかと個人的には期待しております。

また、追加情報が入りましたら随時このブログでアップデートしていきたいと思います。

キクチ行政書士事務所
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