高度専門職ポイント計算で加点となる学術論文とは?

2021年5月22日(土)

学術論文

高度専門職のポイント計算をする上で、修士や博士号などを取得されている方が見落としがちなのが、学術論文に伴うポイント加点です。

日本の経済成長への貢献が期待される高度な能力を持つ外国人向けの在留資格です。法務省が用意している高度人材ポイント計算表による計算をした場合、現在のポイントが70点以上を超える場合、高度専門職の在留資格の対象となります。

高度専門職のポイント計算表は?

ポイント計算表自体は、法務省のコチラのページからexcelファイルでダウンロードが可能です。

この表を元に詳しくご説明させていただきます。

学術論文に伴う、加点対象について

エクセルファイルを開くと、高度専門職1号イ(主に「研究」の活動をする方が対象)、1号ロ(主に「技術・人文知識・国際業務」の活動をする方が対象)の計算表のワークシートに以下の記載があります。

学術論文データベースに登載されている学術雑誌に掲載された論文が3本以上
※責任著者であるものに限る

この内容についてご説明させていただきます。

論文の「責任著者」とは?

論文の著者として、第一著者(First Author)、責任著者(Corresponding Author)、最終著者(Last Author)などの表現がありますが、原則的に申請人は責任著者(Corresponding Author)であることが必要です

申請人が学生時代、大学院などで論文を提出していた場合、第一著者(First Author)は申請人で、責任著者(Corresponding Author)は大学の教授、というケースも考えられます。

申請人が著者の中でも、責任著者(Corresponding Author)に該当しているかをまずはご確認ください。

責任著者

論文の発表時期

高度専門職の在留資格申請時の段階で3本以上の論文が発表されている必要です。すでに論文は書いたけど、まだ雑誌やジャーナルで公開されていない場合は、認められません。

3本の論文発表のタイミングが申請よりも以前かどうかご確認ください。

「学術論文データベースに登載されている学術雑誌」に掲載された論文とは?

「学術論文データベース」とは、世界規模で研究者の学術論文に関する情報を収集し,提供している民間企業のサービスのことです。

入管が発表している、高度人材ポイント制 Q&Aの問21によると「研究実績」として申請があった論文について、エルゼビア(Elsevier)社の「サイバース・スコーパス(SciVerse Scopus)」という学術論文データベースを用いて論文の確認をしている、とのことですが、2021年5月現在、サイバース・スコーパス(SciVerse Scopus)のデータベース自体、名前が変わったのか、すでに見つかりません。

実務上では現在、サイバース・スコーパス(SciVerse Scopus)の代わりにScopusのデータベースで検索し、論文が掲載されている雑誌/ジャーナルおよび論文自体がScopusに掲載されているかを確認し審査しているようです。

キクチ行政書士事務所
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