高度専門職1号ロで加点対象となる学歴は?
2021年5月8日(土)
高度専門職のポイント計算、何が加点対象か分かりにくいという声をよく耳にします。今日はポイント加点の中でももっとも一般的な学歴についてご説明いたします。
日本の経済成長への貢献が期待される高度な能力を持つ外国人向けの在留資格です。法務省が用意している高度人材ポイント計算表による計算をした場合、現在のポイントが70点以上を超える場合、高度専門職の在留資格の対象となります。
高度専門職の在留資格の種類は?
高度専門職の在留資格は、申請者が日本で行う活動(仕事内容)に基づき、1号イ、1号ロ、1号ハ、2号の4種類に分かれています。
高度専門職1号イ
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究,研究の指導又は教育をする活動が該当します。
分かりやすく言うと、研究機関(一般企業む含む)で働く研究者や、学者が対象となります。
高度専門職1号ロ
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動が該当します。
いわゆる一般企業でオフィスワーカーとして働く方が対象ですが、「自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務」という点が重要です。
大学の専攻などと関連性のない国際業務(翻訳・通訳、語学教師、海外取引業務、デザイナーなど)に従事している方は申請できない可能性があるので注意が必要です。
高度専門職1号ハ
本邦の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動が該当します。
具体的には企業の経営者や大企業における支店長や部長クラス以上、と考えていただければと思います。
高度専門職2号
高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれかの在留資格を得て、3年以上活動を行った外国人を対象として付与されるのが高度専門職2号です。
今回は、高度専門職でもっとも対象者の多い、1号ロで申請した場合の学歴ポイントについてご説明させていただきます。
※1号イや1号ハでも同様に学歴でポイントが加算されますが、1号ロとは少し異なります。
高度専門職のポイント計算表は?
ポイント計算表自体は、法務省のコチラのページからexcelファイルでダウンロードが可能です。
この表を元に詳しくご説明させていただきます。
大学の学歴
まずは、どこの大学かは関係なく、学歴によってポイントがつきます。
一般の大学の博士学位を取得している場合は30点加点されます。
専門職大学院の中でMBA、MOTを取得している場合は25点加点されます。
修士や専門職学位(MBA、MOT以外)を取得している場合は20点加点されます。
一般的な大学や短大、高等専門学校の卒業者・専修学校の専門課程卒業者(高度専門士)には10点が加点されます。
なお、専修学校の専門課程を修了して「専門士」の称号を得ている方にはポイントが加点されませんので注意が必要です。
異なる専攻で博士、修士、専門職学位をお持ちの方にはさらに5点が加点されます。
上記、原則は最終学歴での加点だけですが、異なる専攻で博士、修士、専門職学位をお持ちの方にのみ5点がさらに加点されます。
日本の大学を卒業
日本の大学を卒業、大学院を修了している場合は10点が加算されます。
日本語専攻で外国の大学を卒業
外国の大学で日本語を専攻している場合、15点が加算されます。
評価の高い海外、もしくは日本国内の大学を卒業
評価の高い大学の加点は下記のいずれかひとつのみで、10点です。
ランキング上位の外国の大学卒業
以下の3つのランキングで、2つ以上において300位以内の外国の大学を卒業
・QS World University Rankings
・THE World University Rankings
・Academic Ranking Of World Universities
10点
申請時点のランキングで、上記3つのランキング中2つ以上において300位以内に入っている外国の大学を卒業している場合、10点が加点されます。
2020年9月時点で、ポイント加算の対象となる大学はコチラをご確認ください。
ランキング上位の日本の大学卒業
以下のランキングの中でいずれか1つ以上にランクづけされている日本国内の大学
・QS World University Rankings
・THE World University Rankings
・Academic Ranking Of World Universities
10点
申請時点のランキングで、上記3つのランキング中1つ以上においてランクづけされている日本国内の大学を卒業している場合、10点が加点されます。
2021年9月時点で、ポイント加算の対象となる大学はコチラをご確認ください。
海外の大学の場合、ランキング2つ以上で300位以内という条件があるにも関わらず、日本の大学の場合、ランキングに1つでもランクづけされていればOKという点が重要です。日本の大学を卒業している方を優遇している、と考えられます。
日本国内の、いわゆるスーパーグローバル大学を卒業
当事業の補助金の交付を受けている大学は2021年5月現在、全国で37校存在しており、該当する大学を卒業している場合10点が加点されます。
大学のリストはコチラをご確認ください。
イノベーティブアジア事業のパートナー校を卒業
パートナー校を受けている大学はインド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、パキスタン、バングラデッシュ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの14か国にわたり、2021年5月現在で64校存在しており、該当する大学を卒業している場合10点が加点されます。
大学のリストはコチラをご確認ください。
まとめ
以下、加点についてまとめます。
まずは、大学名に関係なく、学士・修士・博士などの学歴で5~30点が加算されます。
それ以外に、日本の大学の場合、10点が加算されます。
また、海外の大学で日本語専攻の場合は15点が加算されます。
さらに、日本の大学でも海外の大学でも、ポイント表上のガイドラインによる評価が高い場合、10点が加算されます。
学歴によるポイント計算については見落とされるケースも多いので、上記をご参考にしていただければと思います。