在日外国人と緊急速報メールについて考えてみた
2020年5月3日(日)
今日は緊急速報メールのお話。
昨日5月2日土曜日午前10時に神奈川県が外出自粛を求める緊急速報メールを配信しましたが、何の告知もない中での緊急速報メールに、緊急地震速報かと身構えた方も多かったようで、ネット上では批判の声が集中しているようです。
僕も含めて、緊急速報メール=大きい地震の警告だと考えている人は多いと思います。県民に緊急事態であることを分かってもらいたいという思いで緊急速報メールという形を取ったことは分かるのですが、SMS(ショートメッセージ)や、ラインメールとかの形でもよかったんじゃないかなと思います。
ちなみに昨日は神奈川県だけではなく、北海道でも16時に緊急速報メールが流れたようです。
この緊急速報を受け取った北海道在住の外国人の友人から、メールの内容が分からなく、何が起きているのか不安なので内容を教えてほしいと連絡が来ました。
届いたメールを書き起こすとこんな内容です。
Emergency Warning
北海道知事 GW緊急メッセージ
北海道、とりわけ札幌市では新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。道民の皆さんが心を一つにして、ゴールデンウィーク中は”いまできること”をしてください
1.札幌市民の皆さんは、とにかく家にいる!
2.道民の皆さんは、札幌に行かない!
3.道内外の皆さんは、都道府県間の行き来はしない!
ご協力をお願いいたします。
北海道知事 鈴木直道
(北海道)
書いてある内容もまっとうで市民にStay Homeを促すメールとして問題ないように見えるのですが、冒頭の「Emergency Warning」という言葉。
想定するに、一般の県民の方には「緊急速報」というテキストで送信し、日本語以外の言語設定にしている方だけに向けて「緊急速報」という言葉の代わりに「Emergency Warning」という訳にして送信したのだと思うのですが、「Emergency Warning」ってタイトルだけ理解できて、その内容が理解できない事のほうがパニックになるのでは、と。
「Emergency Warning」という言葉だけだと、「地震」なのか「コロナ」なのか、それとも「北朝鮮のミサイル」なのか、何の緊急メールか判断がつかないので。
そもそも、日本で暮らしているのだから、日本語でいいだろ、という話もあるのですが、今後も日本中で住民の多国籍化が進み、日本語理解できない方が増えていく社会を考えていくのであれば、日本語、韓国語、中国語、英語ぐらいの対応はあってもいいのかな、と。
携帯の言語設定に併せて、それぞれの言語で送信される仕組みができればいいんじゃないかと思います。
2011年3月の東北の震災時、毎日のように緊急地震速報が鳴っていた時がありましたが、あの時、日本語の分からない在日外国人、そして訪日外国人も大パニックになりました。
もし自分が海外在住で、ローカルの言語も分からない中で、いきなり携帯に警告音とローカル言語でのメッセージが届いたら不安でしょうがないだろうなと思います。
震災時の大混乱を踏まえ、その後数年かけて行政は多言語での情報提供に舵を切り、昔と比べてだいぶ改善されています。お気づきの方もいると思うのですが、NHKも緊急時には英語で字幕が流れるようになりました。
そこまでやらなくてもいいんじゃない、という意見も分かるのですが、自分が海外で心細い体験をしたことのある方であれば、こういうちょっとだけ気を利かしたサービスだけでも、どれだけ有難いかわかっていただけるんじゃないかと思います。